第86話愚か者

「なあ、ちょっとさ、ビアンカとジェームズっていう二人が会いたいって言ってるんだ。大事な話だってさ。でも勝手に決めるのも悪いと思って、聞きに来た」ジョーはにやりと笑って言った。

エミリーは口元をつり上げる。「ああ、あの二人?入れてもらうために、あんたに賄賂でも弾んだ?」

明らかにからかっている。

ビアンカの顔からさっと血の気が引いた。

腕の立つ医者といえば、風変わりな老人か、近寄りがたい人物を想像していた。だが、こんなに若くて、しかも遊び心たっぷりの相手だとは思ってもみなかった。

ジョーはくくっと笑う。「ああ。必要な薬草は全部、融通してくれるってさ」

エミリーも調子を合わせる。「悪く...

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